閉じる ×
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】ブリッジ Research Memo(1):2024年12月期は増収増益

*13:01JST ブリッジ Research Memo(1):2024年12月期は増収増益
■要約

ブリッジインターナショナル<7039>は、インサイドセールスアウトソーシング事業、プロセス・テクノロジー事業、及び研修事業の3つの事業でB2B企業の売上成長を支援するサービスを提供している。インサイドセールスアウトソーシング事業では、インサイドセールスのアウトソーシングサービス、プロセス・テクノロジー事業では売上に係るプロセスの全体設計や、営業戦略を支援するコンサルティングサービス、及びCRM(顧客情報を一元管理するシステム)やSFA、MAツールの受託開発を提供するシステムソリューションサービスを行っている。研修事業では、IT研修や新入社員研修などで実績のある(株)アイ・ラーニングの営業研修やDX研修プログラムを幅広く提供し、多種多様な研修サービスを有している。

1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期の業績は、売上高8,615百万円(前期比22.7%増)、営業利益950百万円(同4.0%増)、経常利益998百万円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益661百万円(同2.7%増)となった。2024年12月期はトータルサポート(株)の連結子会社化により売上高、営業利益とも高成長を記録したが、その要因を除いても売上高は同7.8%増、営業利益は8.2%増と順調な成長ぶりを示している。なお2024年12月期第3四半期決算において修正した業績予想に対する達成率は、売上高100.1%、営業利益106.0%、経常利益111.3%、親会社株主に帰属する当期純利益112.9%といずれも達成した。売上面ではインサイドセールスアウトソーシング事業が前期比5.4%増と堅調に推移したほか、プロセス・テクノロジー事業はM&A効果で同219.9%増と大きく伸びた。研修事業は同5.9%増と堅調だった。第1四半期の営業強化策の遅れを新人研修の伸びなどで盛り返した。利益面では、インサイドセールスアウトソーシング事業が増益をけん引したが、プロセス・テクノロジー事業におけるトータルサポートのPMI関連諸費用の影響がややブレーキとなった。研修事業は増収に伴い利益面でも堅調だった。なお親会社株主に帰属する当期純利益はグループ会社の株式評価損の特別損失への計上等で他の利益と比較し増益幅が縮小している。

2. 2025年12月期の業績見通し
同社は2025年12月期第3四半期より持株会社体制に移行することを決定した。移行後の初年度となる2025年12月期は、業績予想をレンジ方式にて開示している。ベストシナリオではトータルサポートに対するPMI※や研修事業における新規顧客獲得が好調に進むことを想定し、それらが伸び悩み売上高や利益率改善の進捗が思わしくない場合の悲観シナリオも設定した。ベストシナリオでは成長率は売上高で20.0%、営業利益で15.2%となり、悲観シナリオの場合は売上高で10.0%、営業利益で5.5%となる。目標数値としては、売上高9,477~10,338百万円(前期比10.0~20.0%増)、営業利益1,002~1,094百万円(同5.5~15.2%増)、経常利益1,002~1,094百万円(同0.4~9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益631~688百万円(同4.5%減~4.1%増)となる。レンジ形式で開示した狙いは、中期経営計画の目標数値である2025年12月期売上高100億円と営業利益11億円を社員全員があらためて認識し、達成に向けた体制を強化するためと考えられる。レンジの設定ではあるものの、2025年12月期においても増収増益基調を維持する計画に変わりはなく、各事業におけるターゲット顧客の需要を確実に捉えて業績向上につなげる方針である。

※ 合併・買収後の統合効果を最大化するための統合プロセスを指す。

3. 株主還元強化
同社は2025年2月に株主還元方針の変更と2025年12月期の配当予想について発表した。従来は、配当方針として持続的な事業の拡大と経営基盤の確立のための内部留保の充実に配慮しつつ、業績・財務状況及び事業環境等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を行うとしていた。変更後は、創出したキャッシュを成長投資と株主還元にバランスよく配分し、配当性向については50%以上を目標に安定配当を目指す。また、株主に対する長期保有の環境整備のため累進配当を導入した。この方針は2025年12月期から適用し、予想では1株当たり年間85.0円(中間:42.5円、期末:42.5円)の配当とし、配当性向は50.0%となる。なお2024年12月期は従来の方針に基づく配当を予定しており、年間配当は1株当たり35.0円(中間:17.5円、期末:17.5円)、配当性向は19.2%となる。

4. 持株会社体制への移行
同社は2025年2月、持株会社体制への移行を発表した。2025年3月27日開催の定時株主総会における承認を経て、2025年7月1日より移行する。持株会社化を選択した理由として「グループ経営資源の最適配分」「ガバナンス強化及び経営の意思決定迅速化」「次世代経営人材の育成」の3点を挙げている。事業の拡大が順調に進むなか、中期経営計画で定めたグループ成長方針と提供価値である「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービス提供」を一日も早く実現するため、持株会社への移行を急ぐと考えられる。移行後の社名は「ブリッジインターナショナルグループ(株)」となり、インサイドセールスアウトソーシング事業は、新設分割により設立される「ブリッジインターナショナル(株)」が担当する。プロセス・テクノロジー事業については、子会社であるClieXito(株)(クライエクシート)を2025年3月1日付で「ブリッジプロセステクノロジー(株)」に商号変更のうえ、従来の担当事業を移管する。研修事業はアイ・ラーニングが引き続き担当する。持株会社体制に移行することで、顧客企業の成長に向けた価値提供の高度化を進めるとともに、業績を拡大する考えである。なおトータルサポート、アイ・ラーニング、BRIDGE International Asia Sdn. Bhd.は持株会社の子会社となる。

■Key Points
・2024年12月期はM&A効果もあり売上高は2ケタ増収、及び増益を達成
・プロセス・テクノロジー事業は成長するも、子会社のPMIの完了が課題
・中期経営計画については、初年度実績としておおむね順調に進捗
・株主還元方針を大きく見直し、2025年12月期は年85.0円に増額予定
・2025年7月より持株会社体制に移行

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

<KM>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。