田代尚機のチャイナ・リサーチ

日本の中国関連株が好調、日経平均を上回る上昇率続く

 国有と民間の別では、前者が14.4%増で後者が6.7%増なので、依然として国有経済が景気を牽引している状態に変わりがない。しかし、2016年と比べれば、前者は4.3ポイント鈍化しているが、後者は3.5ポイント上昇している。全体の60.4%(2月累計)を占める民間部門の回復が著しい点は今後の景気見通しに関して明るい材料だ。

 不動産投資も好調である。2月累計の全国不動産開発投資は8.9%増で、昨年と比べ2ポイント高かった。

 貿易については、輸出、輸入ともに大きく伸びている。1、2月累計の輸出(人民元ベース、以下同様)は11.0%増で12月と比べ10.4ポイント増えている。輸入については34.2%増で同じく23.4ポイント増えている。外需も強いがそれ以上に内需が強い。

 不安があるとしたら消費である。1、2月の小売売上高は9.5%増で、昨年12月と比べ1.4ポイント悪化している。ただし、この統計、毎年1、2月は前年12月と比べ大きく低下する傾向がある。足元の状況については、3月以降のデータが出てこないとはっきりとしたことは言いにくい。

 国務院発展研究センターの李偉主任は、全国政治協商会議、全人代開催中の3月12日に行われた両会部長交流会において、次のような景気認識を示している。

「構造調整は加速し、企業効率は明らかに改善している。中国経済が質、効率面でゆっくりと改善している。中国経済が大幅に下落するリスクは基本的に無くなった。中国経済はL字型景気における“縦”の部分を通り過ぎ“横”の部分に差し掛かっている……」

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