「えっ! それ、詐欺です、詐欺です! オレはLINEはやっていません! 『なりすまし』の被害に遭いました!」
「えっ? どーしよぅ……。4万5000円も払っちゃったわよ。私、生活苦しいのに……。本当にどうすればいいのぉ……」
「分かりました。とにかく、今後、オレを名乗るLINEは無視してください! そいつは詐欺師です! で、今から4万5000円を振り込むので、口座を教えてください」
かくして私はお詫びの意味も込めて、生活が苦しいという彼女の口座に4万5000円を振り込みに行ったのでした。その後も複数人の高齢女性から「どうすればいい?」という連絡が次々と寄せられ、「オレオレ詐欺的なものは案外ひっかかるものだな……。つーか、オレだって騙されたワケだからな……」と思ったのでした。
長く疎遠だった人ほど信じ込みやすい?
その後、被害報告はなかったのですが、ここで一旦なぜ私がFacebookの友人・Aさんの「なりすまし」を信用したのかを振り返ります。彼女は幼稚園~小学校2年生(1982年)までの友人でした。その後、大学1年生の時(1993年)に1回会い、昨年(2016年)にFacebookで友達申請が来て、ようやく繋がったのでした。彼女はタイのバンコクに住んでいるとのことで、たまたま私も2016年末~2017年初頭にバンコクに行くので、23年ぶりの再会を果たしました。
「LINEのIDが凍結された」という話も、バンコクにいて、日本のLINEと距離が遠い(冷静に考えればウェブなのでそんなことはないのですが……)ので、藁にもすがる思いで私に連絡をしてきたと思ったのです。なにせ、彼女と私の間の「共通の友達」は1人しかいないので、私に頼らざるを得ないという状況に追い込まれたと思ったのですね。
しかも、彼女とバンコクで会った時は「どうせFacebookでやり取りできるから電話番号はいらないよね」とばかりに電話番号の交換もしていません。「昔過ぎる友人」「最近少し接点があった」「電話番号を知らない」「海外にいる」「昔から口調は男っぽかった」という要素からAさんの「なりすまし」を完全に「困ってしまったAさん」だと私は認識し、今回多くの知り合いに迷惑をかけてしまったのでした。