しかし、半日など全日ではない有給休暇の取得は、時間単位の年休取得を認める労使協定が締結されていなければ、使用者は有休を拒否できます。これは有給休暇が、労働者の休息のために与えられるものであり、半日では遅刻や早退の言い訳になりかねず、そのための有休になっては困るからです。
ただし、職場の過半数の労働者で組織する労働組合か、あるいはその代表と会社が書面で協定すれば、5日以内で時間単位の有休が取れます。あなたの職場で、この労使協定が締結されていないと、半日有給休暇を拒否した上司は、結果的には労働者の有休の権利を侵害していないことになります。
【弁護士プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2017年4月7日号