一方、スマホ向けのゲームとなると、基本料金無料のアイテム課金という方式が一般的だが、もちろん「売り切り型」も少なくない。たとえば、PlayStationで人気だった『ドラゴンクエストVII』のスマホ移植版なら1800円。昔懐かしい『魔界村』なら360円となっている。様々なプラットフォームで人気の『マインクラフト』のスマホ版であればiOS版が840円、Android版が700円で、さらにアイテム課金もあるといった方式だ。
スマホゲームには無課金派から数万円レベルの課金派まで
売り切り型のスマホアプリとしては『スーパーマリオラン』の1200円という価格は決して高くないように思えるが、「高い」と感じてしまうユーザーが少なからずいるのはなぜだろうか。ゲーム業界に詳しいジャーナリストはこう話す。
「単純にボリュームが足りないという声が多いようですね。過去の『スーパーマリオ』シリーズをプレイしてきたゲーマーであれば1日でクリアできる内容ですし、やりこみ要素もそこまで多くない。多少高くてもいいから、長い時間プレイできる『スーパーマリオ』の新作が欲しかったという人も多かったのではないでしょうか」
ゲームソフトの価格としては、“ソフト1本で6000円くらいが妥当”という金銭感覚は1980年代から現在にいたるまでほとんど変わっていない。しかしその一方で、スマホゲームとなると“絶対に課金しないで無料で遊び続ける”というプレイヤーがいるかと思えば、“数万円レベルで課金する”というプレイヤーもいて、その金銭感覚は一様ではなくなっている。
「『スーパーマリオラン』の1200円という価格設定は、通常のゲームソフト1本6000円という相場から考えれば、ゲームの内容的には決して高くはないと思います。でも、その金銭感覚がスマホユーザーにフィットするかどうかといわれると、そうでもないのかもしれません」(前出・ジャーナリスト)