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年金強制徴収基準引き下げ サラリーマンにも不公平感

 ちなみに、日本年金機構は未納者に対し、文書や戸別訪問で納付を督促しているが、それにも応じない未納者に対し、財産の差し押さえをして納付を促すのが「強制徴収」となる。

 実は平成28年度にこの基準は、「所得400万円以上」から「所得350万円以上 」に引き下げられたばかり。2年連続で強制徴収対象者を拡大しなければならないほど未納者が多いということなのかもしれないが、今回の措置に関して、国民からは多くの不満の声が出ている。

「そもそも年金運用が失敗して受給額は減る一方。それなのに、今度は強制徴収の幅を広げるというのは、国民を舐めているとしか思えません。もはや制度自体が破綻しているのは明らかなのに、そこに拘泥してなんとか延命させようとしている。もはや払う気すら起こりません」(40代・自営業男性Aさん)

■「所得300万円以上」はそんなに厳しくない?

 この「所得300万円以上」という強制徴収の基準について、国民年金加入者はどう感じているのだろうか。フリーランスで15年以上仕事をしているライターのBさん(40代)はこう話す。

「この“300万円以上”というのは、年収ではなく控除後の所得。つまり、収入から仕事に関わるいろいろな経費を差し引いた金額ということです。職種にもよりますが、たとえば年収500万円のフリーライターであれば、取材にかかる交通費、取材対象との交際費、執筆に必要な書籍などの資料費などを経費として差し引くと、所得が300万円に満たないなんてことは珍しくないです。フリーの立場からすると、“所得300万円以上”という基準は、それほど厳しいものではないというイメージです。

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