ネット上でのユーザーの動向が筒抜けになってしまう可能性もある、今回の法案。米国のみならず、日本のネットユーザーたちも不安を募らせている。ツイッターでは、
〈セキュリティやプライバシーって、政治とお金の前に潰れちゃうのかな…〉
〈Tタワーが盗聴されてるとかウダウダ言ってる本人がダダ漏れ推進って事になる〉
〈米国が確実に世界の流れと逆行していく〉
〈アメリカ政府が守るのは民衆ではなく企業という方針がよく分かる。人権施策は今後4年間で大きく後退するんだろうな〉
などの意見が寄せられている。ISPがユーザーの個人情報を販売できるという状況に違和感を覚えるネットユーザーも多い。
■より個人にカスタマイズされた広告が実現か
もしも、ISPがユーザーの閲覧履歴を販売するようになると、どんな影響があるのだろうか。ネット上の広告に詳しいIT企業関係者はこう話す。
「Googleや通販サイトでの検索履歴と連動して、ユーザーごとにカスタマイズされて表示される行動ターゲティング広告は現在でもありますが、ISPが履歴を広告主に販売するようになれば、個々のユーザーに対する広告のカスタマイズが強化されるでしょうね。
今までなら、主に検索した言葉や商品が参照されて広告に反映されていたものが、サイトの訪問履歴そのものが大きく影響するようになります。それこそアダルトサイトばかりを見ているユーザーだと、普通のサイトに行ってもアダルト系の広告が表示されてしまう、なんていうこともありうるでしょう。あるいは、閲覧履歴とそのほかの個人情報が紐付けられ、ダイレクトメールが届くなんてこともありうるかもしれませんね」(以下「」内同)