さらに、ネット広告以外の部分で様々な影響が出てくる可能性もある。
「法案では閲覧履歴だけでなく、アクセスした場所や金融取引に関する情報、健康に関する情報なども、販売可能な個人情報に含まれているようです。悪徳業者にそれらの情報が販売された場合は、フィッシング詐欺や振り込め詐欺などに使われてしまう可能性もあるでしょう」
その一方で、個人情報の流出を回避するための技術も進歩しそうだ。
「現在であればブラウザに広告を表示させない機能拡張というものがありますが、今後は“閲覧履歴をISPに送信しない技術”というものが出てくるかもしれない。あるいは、個人情報を売却しないことを強くアピールするISPが登場するかもしれません。
ISPのサービスにも影響はあるでしょう。たとえば、個人情報の販売で収益を得る代わりに接続料が無料のプランとか、個人情報は販売しないが接続料が少々高いプランとか、そういったサービスが出てくる可能性はあります」
アメリカで現実味を帯びてきたネットの閲覧履歴販売。ネットにおける様々なビジネスに影響を与えることとなりそうだ。