インターネットの悪質アダルトサイトによる架空請求被害が、高齢男性に増えている。実際にどんな手口で騙すのか。
例えば、無料動画の再生ボタンを押したら、いきなり別画面に「登録完了」と出て、有料アダルトサイトの入会金30万円の請求画面と支払い方法が表示されるケース。
〈登録完了〉という文字で、「自分が何かをクリックして登録してしまったのか?」と思わせる。アダルト動画を観ようとした“後ろめたさ”から、請求に応じてしまうケースも少なくないが、承諾していないお金を支払う必要はない。仮に催促する表示が出ても「無視する」のが基本だと、IT事情に詳しい弁護士の岡田崇氏は言う。
「有償(有料)である旨がサイト上に表示されていなければ、契約が成立したとはいえません。どこかに表示されていたとしても、有償であることが分かりやすく表示された確認画面がなければ、契約は無効となります(『電子消費者契約法』3条)。このようなことから、消費者が明確に同意したといえない場合、法律的には支払い義務はないので、相手にしないのが鉄則。延滞料や損害料を請求してきても、放置しておけばいいのです」
※週刊ポスト2017年4月14日号