4月3日付の日本経済新聞朝刊は〈タンス預金が止まらない〉と題した記事を掲載。熊野氏の推計内容を紹介するとともに、自宅で現金を保管するための家庭用金庫が売れていると報じた。
〈「1億~2億円の金額が入る金庫の大きさはどれくらい?」。金庫メーカーにこんな問い合わせが増えている〉(同記事より)
富裕層の間で、億単位の現金を自宅に保管したいというニーズが増えていることが読み取れる。金庫メーカー大手の日本アイ・エス・ケイの営業担当者はこういう。
「お客様からのお問い合わせは増えていまして、家庭用金庫について『どのくらいの量のお札が収納できるのか』『耐火能力や施錠方式はどうなっているのか』といった基本的な性能についての質問が多い。販売個数も一昨年あたりから伸びていて、売り上げはそれ以前に比べて3割増となっている」
家庭用金庫といっても性能やサイズは様々だ。
「昔ながらのダイヤル式のものもあれば、暗証番号を入力するデジタル式やICカード式、よりセキュリティを強化した指紋認証タイプもあります。売れ筋は容量20リットルで重さ50kg前後、177℃までなら1時間もつという耐火性のタイプです。1万円の新札を詰め込むと1億3000万円くらいが入る。値段は定価で6万~10万円程度。さらに容量の大きい50リットルクラスの商品も売れ行き堅調です」(同前)