災害リスクもある。地震や水害、火災などに遭った際、家に置いていた現金はどうなるのか。金庫メーカー大手の日本アイ・エス・ケイの広報担当者はこういう。
「お客様が耐火金庫を求める理由の一つとして、東日本大震災があります。当時、津波で流されてしまった耐火金庫5700個が持ち主の手元に返ってきて、戻ってきた金額は総計22億円にのぼったという報道がありました」
それらのケースでは、現金以外に通帳や印鑑などが中に入っていたため、持ち主の特定につながったという。
まとまったお金は銀行に預けるのが当たり前──そんな常識は壊れつつある。政府も銀行も信用せず、「自分のお金は自分で守る」という決意を持った国民は、確実に増えている。
※週刊ポスト2017年4月21日号