そこで、「実は今、こんな商品がありまして……」とパンフレットを出されます。どこかの国の国債やら、REIT(不動産投資信託)やらの説明をしますが、私自身、石橋を叩いて渡るタイプなので、まったく食指が動きません。
「どういったスタンスの投資をお考えですか?」
「よくわからないことはしたくないんですよ」
「よくわかるものって何ですか?」
「海外の債券やREITとかだと、債券や投資信託の価値だけでなく、為替相場も影響するし、複雑過ぎて……。それに、どうせ投資に長けた海外投資家がなんか色々操作してるみたいで、まったく値動きの予想がつかないんですよ」
「そうしましたら……」
と彼が出してきたのがまた別の商品です。これもまだリスクが高いと思い、私はこう言いました。「私が分かるのは、米ドルの外貨預金ぐらいなんですよ。米ドルについては120円ぐらいが適正な価値だと思っていて、90円台だったら買いたいな、と思っているんです。昔から米ドルの相場はニュース等で見て肌感覚でその価値が分かるんですよね」
というわけで、「89円になりそうだったら連絡をしてください。その時すぐに買います」と伝えました。多分、その時は96円ぐらいだったと思います。そして、数週間後、89円になりました! そこで私は500万円分の米ドルを買います。そして、さらに数か月後、今度は79円になるではありませんか! 1997年に1ドルが79円になった時、フィラデルフィアへ旅行に行ったのですが、その際に随分とお安く旅行できたことを思い出し、500万円分買い増ししました。
こりゃ、儲かる予感しかないでしょ! と700万円注ぎ込んだ結果
その後は一転、円安にどんどんなっていき、105円になったところでドルをすべて円に戻し、200万円以上の利益を確定させたのでした。さぁ、これで銀行の側は「ウヒヒヒ、このカモは投資が儲かるということに気付いたな、ウヒヒ」といった気持ちになったのでしょう。担当者は若者に引き継がれたのですが、彼の電話攻勢がすさまじい!