月に2回ほど電話をかけてきて「中川さん向きの商品があるのですが……」と言い、説明に来る。その電話攻撃が煩わしいので、「ここで一旦何か買っとけば放置してくれるだろう」とばかりにオーストラリアドル預金なども始めてしまいました。基本的には「ローリスクローリターンでいい」ということは言っていたのですが、一発やらかしてしまったのがありました。
それが、「ブラジルレアル建てノルウェー国債」。時はおりしもブラジルワールドカップ前年の2013年。BRICs(ブリックス)という言葉があるように、ブラジルは新興国の期待の星とされていました。さらにワールドカップが翌年あり、その2年後にはオリンピックもリオデジャネイロで開かれる! こりゃ、儲かる予感しかないでしょ! とばかりに、700万円を注ぎ込んでしまいました。そうしたらブラジル経済は停滞したままで、評価額が一時は280万円になってしまった……。
あぁ、アホか、オレは……。そして、これに懲りた私はこの行員には「もう、難しいことはいいので、定期預金よりはマシな何かを紹介してください」とだけ言い、残った預金をほぼ全額「10年待てば1.5%の利子がつく」という商品に手を出してしまいました。
どちらにせよ大金を使う予定もないので、それでいいのですが、これにより預金がなくなったためようやく行員の電話攻撃はやんだのでした。それから2年経った今年2月、再び私の口座には預金が貯まってきたのですが、ここでやってきたのがこの行員の溌溂とした声。
「どうも、お久しぶりです! また、良いお話があるのですが、3月あたりお時間いただけませんでしょうか!」
正直普段の仕事の方が大事なので、流動的な予定も入っていたため「まだ予定が見えない」と伝えました。すると「また3月に電話します!」と溌溂とした声で言います。しかしながら、他の大口顧客につきっきりになったのか、あれから2か月、一切連絡はなく、なんだか銀行員ってのは目先の利益ばかり見る連中ばかりなのだなぁ、と思っています。