だからこそ、地政学リスクを懸念した売りが先行し、米国によるシリア攻撃以降、日経平均は年初来安値をうかがう展開が続いている。
ただし、そうした緊迫する情勢のなかで、上昇している株もある。マーケットアナリストの平野憲一氏が指摘する。
「国内マーケットが軒並み様子見になる中、一部の防衛関連株に上昇の動きがあります。細かな防衛部品・軍需部品を製作する石川製作所や、赤外線など防衛市場向けシステムを扱う日本アビオニクスの株などがそうです。さらには、国内唯一の小銃メーカーである豊和工業や、発煙筒や火薬などの防衛・軍需品を扱う細谷火工の株価も値上がりしています」
米国でも同様に、シリア攻撃に使用された巡航ミサイル「トマホーク」を製造するレイセオンや、ロッキード・マーティン、ボーイングなどの航空機メーカーの株に買いが入っている。
※週刊ポスト2017年4月28日号