優待を“タダ”で手に入れる裏技
「クロス取引」で株価を相殺
このような株価下落のリスクを避けるため「クロス取引」という投資手法があります。売買手数料のみで、株価の変動リスクがなく、実質的に優待を“タダ取り”できるとあって注目を集めています。
クロス取引とは、権利付最終日までに「現物買い」と「信用売り」を同時に行う取引です。「信用売り」とは信用取引の売り、つまり「空売り」のことです。
「信用売り」では、まず証券会社から株を借りて取引(売り)を行います。そして、株主優待の権利が確定したら、現物買いしておいた現物株を、信用売りのために証券会社から借りた株の返済に充てて決済します(これを「現渡し」と言います)。
このとき、「現物買い」と「信用売り」を同時に行うことで、株価が相殺され、実質ゼロ円で優待の権利を得ることができるのです。
実際の取引としては、権利付最終日の前場か後場の寄り付き前に、ほしい優待銘柄の「現物買い」と「信用売り」の注文を同株数、成り行き注文します。これは、「現物買い」と「信用売り」を同じ価格で約定させるためです。
約定後、権利落ち日となる翌営業日に現渡しして決済すれば完了。めでたく株主優待の権利ゲット!です。