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【水上紀行の為替相場の本質】知らないと損する中間決算時期の相場

 いずれにしましても、この例から、中間決算絡みの反対取引によって、相場が実際に反転してしまうということがお分かり頂けるかと思います。しかも、相場のテーマをいくらうんぬん考えても、中間決算という大きな為替取引がともなう「会計取引」には敵わないわけです。

 この例では、中間決算にともなう為替の反対取引は、6月初旬から始まりましたが、早い年では、5月中旬から始まる場合もあります。ですので、5月中旬以降、注意しておくべきことは、年初来どういったテーマによって、どのようなポジションがマーケットで積み上がってきたのかを推理することが大事です。

投機筋のポジションを読む方法

 ときにはマーケットのテーマと相場のポジションがかみ合っていないケースもあります。その際、大変参考になるのがシカゴIMM投機ポジションです。

 シカゴIMM投機ポジションは、シカゴ先物市場における、投機的とみなされる通貨取引のポジション推移を示したものです。これにより、海外勢の投機的なポジションは、「どの通貨」が「売り」「買い」のどちらに傾いているのかがわかります。

 今年の中間決算の場合、ユーロ/ドルが買い戻されるものと見ています。なぜなら、シカゴIMM投機ポジションのユーロの売持ちポジションが高水準だからです。そして2つめの理由に、米FRB(米連邦準備理事会)の金融政策が「引締め方向」なのに対してECB(欧州中央銀行)の金融政策が「緩和方向」という真逆な方針だったために、資金がユーロからドルへ大挙して移動していたこともあります。

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 この状況で今年の中間決算を迎えれば、2010年の場合と同じように、損益確定のための「ユーロ買い、ドル売り」という反対取引が、相場のテーマにかかわらず発生するものと考えています。

 その他の季節的相場要因も見ていきましょう。

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