その状況を表すようにツイッターでは、
〈周囲のいろんな意見を蓄積しているが、やはり踏み出せない格安SIMへの乗り換え。〉
〈au歴17年。ここ数年、何度も他社への乗り換えや格安スマホも検討しましたが、しませんでした。〉
など消極的な意見が見られ、低価格というだけでは踏み出せない“見えないハードル”があるようだ。しかし、皮肉なことに、乗り換えてからそれを知るユーザーが多い実態も浮き彫りになっている。
昨年度、国民生活センターに寄せられた格安スマホに関する相談は1045件で、前年度の380件と比較して約3倍の増加。低価格である反面、「(大手)キャリアと同じことができない」といったトラブルが目立っているという。
キャリアと格安スマホの大きな違いは価格差だが、その低価格を実現している裏には“からくり”がある。コストをかけない分、品質やサービスもそれなりの水準であることを肝に銘じておかなくてはならない。キャリアと異なる注意点は、主に7つだ。
【1】「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」といったキャリアメールが使用できなくなる。
【2】使用中の端末が故障しても、代替機種が提供されないケースが多い。
【3】LINEのID検索に未対応(LINEモバイルを除く)。
【4】回線速度と電波状況が時間や場所、MVNOによって異なり安定しにくい。
【5】キャリアよりも実際に相談できる実店舗数がまだまだ少なく、アフターサービスが手薄。
【6】MVNOが提供するSIMのサイズ、どこのキャリア系のものかを把握したうえで、使用する端末が対応するのかといった、知識が事前に必要。
【7】キャリアのような、無制限にかけ放題の通話定額制プランを設けているMVNOは現時点で存在しない(IP電話を除く)。
価格面にだけ釣られてしまうと、格安スマホのデメリットを許容できないユーザーにとっては乗り換え後に「安物買いの銭失い」になる可能性も考えられる。低価格の落とし穴にはまらぬように、しっかりと自分に合った選択をしたい。