「家を持つか・借りるか、どちらがトクなのか?」という論争は、なかなか結論が出ない問題だが、マイボイスコムが2015年に行った調査によれば、「持ち家に住みたい」「どちらかといえば持ち家に住みたい」と答えた人は合わせて79.3%に到達。持ち家信仰は今でも根強いようだ。
ただ、限られた予算のなかで物件を探せば、都市の中心部から離れるのは仕方のないこと。郊外にマイホームを買い求めると、どういうことが起きるのか? ある団塊ジュニアのケースを紹介しよう。
現在、都内在住のタカヒロさん(43)は、金融機関に勤める有名私大卒の男性。幼い頃は、都内で社宅生活を送っていたが、タカヒロさんが14歳の時に、父親は小田急線の新百合ヶ丘に一戸建てを買ったという。
時はバブル時代。当時、その最前線にいた団塊世代がこぞって買い求めたのが、小田急線の新百合ヶ丘、東急田園都市線のたまプラーザ、あざみ野、青葉台といった、郊外型の住宅街だった。大手銀行勤務のタカヒロさんの父が買い求めた念願のマイホームは、新百合ヶ丘から徒歩20分近くの閑静な住宅街だった。