だからこそ、政府は公的資金を東芝に投じてでも、救済するのが筋だと言うのだ。
「かつて国は不良債権を抱えた銀行に何兆円もの資金を投入し、東京電力やJALにも公的資金を入れています。それらに比べれば、東芝は本質的な経営難に陥っていたわけではありません。
原発事業を切り離し、半導体事業を残せば、東芝は確実に立ち直り、今後も収益を上げられるので、東京電力やJALより公的資金の投入リスクははるかに小さい。国債は無利子ですから、国は調達コストを掛けずに資金調達でき、東芝を救えます。
日銀は購入すべき国債がなくなっている時期でもあり、それも含めて悪いことはありません。法律上、国債の資金を投入できないのなら、年金資金を入れればいい。東芝への投資は国債を買うよりはるかにいい。年金財政にもプラスになるはずです」
年金資金の投入は間違いなく批判を浴びるだろうが、最終的に回収できるなら良しという考え方だ。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号