実際住んだ人は意外と不満?
そんな吉祥寺ですが、住む際の最大のネックは何と言っても「家賃の高さ」です。吉祥寺のワンルーム・1K・1DKの家賃相場は7.66万円(不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」調べ)で、この額は、新宿により近い高円寺や阿佐ヶ谷よりも上。築年数や駅からの距離を気にしない場合を除き、家賃だけでかなりの出費を強いられます。
交通事情に関しては、JRの「中央特快」が止まらないのが痛手です。「住みたい街ランキング」で1位に輝く吉祥寺ですが、中央特快は何と吉祥寺を通過。「なぜ吉祥寺でなく、三鷹に止まる?」と、最速列車を見送る屈辱を味わうことになります。
道路事情の悪さも大きなデメリットです。駅周辺の道路は基本的に片道一車線で、とりわけ週末は慢性的に渋滞。吉祥寺というブランドに惹かれて、駅からバスを利用するような場所に住んだ場合、かなり時間に余裕を持って家を出ることを強いられます。そんな道路事情の悪さを象徴するのが南口のパークロード商店街。多数の歩行者が歩き、ガードレールもない道路に、路線バスが突っ込んでくる様子はまさにカオスです(開発計画は進行中)。
そして、実際にこの街に住んだ人が指摘するのが、街の混雑度です。三重県から上京し、この街で2年間一人暮らしをした30代の男性・Aさんはこう言います。
「吉祥寺はとにかく人が多すぎます。平日でも駅の周りは混雑していますし、週末はどこへ行っても人、人、人。雑誌で紹介されるような店は大行列で、大げさではなく歩くのにも苦労するレベルです。憧れて住んだ吉祥寺でしたが、アパートを更新する時、『吉祥寺はもうイイや』と、あっさり引っ越してしまいました」
混雑は人気のバロメーターとも言えますが、それによって消耗することは避けられなさそうです。そうした点をわかったうえで、吉祥寺に住むならそれでもよいですし、遊ぶ街と割り切り、少し離れた街に住むのもひとつの選択肢かもしれません。