「転売屋」を使う人の心理とは
定価で取引されるので、営利目的の「転売屋」を排除することが期待されており、消費者としても法外に高い金額を払わずともチケットを入手できるというメリットがある。とはいえ、一方で「転売屋」を完全に排除することができるか、不安は残る。年に10回ほどアイドルのコンサートに行くという30代女性はこう話す。
「高いお金を払わずともチケットが手に入りやすくなるのは、うれしいです。でも、どうしても良い席で見たいライブがあるのも事実なんですよ。そういう時は、高いお金を払ってでも『転売屋』から購入してしまうかもしれません」
また、基本的にネットオークションなどでチケットを購入することが多いという40代男性のアイドルファンは、厳しい意見だ。
「あまり人気がない公演の場合は、『転売屋』が大量に買い占めてもさばききれず、結果的に値崩れするチケットも少なくない。しかも、ある程度であれば席の位置も選べるということもあって、好きな席のチケットを安く買いたいという理由で、『転売屋』からしか買わないという人も相当数いると思います」
どうやら『チケトレ』よりも「転売屋」のほうがファンの需要に応えてくれるというケースもあるようだ。『チケトレ』以外では完全に取引ができないというシステムが出来上がらない限り、「転売屋」を完全に排除することは難しいかもしれない。『チケトレ』の登場で、チケット転売問題がどう変化していくのか、注目したい。