意外な結果であった。4月30日に発表された中国の4月の製造業PMIは51.2で、3月と比べ0.6ポイント悪化、本土の市場コンセンサスを0.5ポイント下回った。
17日に発表された2017年1-3月期の実質経済成長率は6.9%で、2016年10-12月期、市場コンセンサスを0.1ポイント上回った。3月の月次統計では鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高、輸出の伸び率は前月を上回り、かつ、予想を上振れしている。景気見通しは楽観に傾いていた矢先に冷や水を浴びせられたようである。
今回の製造業PMIの結果が前月を下回ったことについて、国家統計局は次の3点を指摘している。
【1】生産、受注とも鈍化しており、需給がともに緩んでいる。
【2】鉄鋼などエネルギー多消費産業が50を下回って悪化している。
【3】内外のバルク商品価格や、一部産業における供給状況の変化などから、原材料購入価格、出荷価格が下落している。
農産物、食品、酒飲料などの消費関連の製造業や、ハイテク企業が好調であったり、小型企業が回復していたり、ネガティブな変化ばかりではないが、やはり、予想の大幅な下振れは気になるところである。
政策面を見ると、このところ、共産党は景気に対する関与を強めている。
たとえば、不動産価格の上昇傾向が止まらないことから、3月中旬以降、主要な地方政府は不動産購入制限策を強化している。また証券市場では4月に入り、雄安新区関連銘柄が急騰したが、当局はこれを問題視し、主要銘柄の取引を一時的に停止させ、投機の発生を最小限に抑えようとしている。