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終身、定期、医療…値上げと値下げで揺れ動く生命保険の保険料

 その一方で、来年4月には保険料が値下げとなる可能性も浮上している。前述の日本アクチュアリー会が医療技術の進歩などに伴って平均寿命が延びていることから、11年ぶりに「標準死亡率」を引き下げる方針を示しているためだ。ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)が解説する。

「死亡率が下がれば、保険会社にとっては保障期間が一定の定期保険などで保険金を支払う可能性が減るため、保険料が大きく下がることが予想されます。前回(2007年)の標準死亡率引き下げの際には、保険料が10%以上下がったものもありました。一方で、生涯保障される終身保険は寿命が延びてもいずれ保険金を支払わなくてはならないため、さほど影響は受けないと見られます。また長生きすることによって医療費がかさんでくる医療保険は、むしろ値上げの可能性が高いと考えられます」

値上げ前に契約することが本当に有利か?

 なんとも複雑な話に聞こえるかもしれないが、簡単にまとめると以下のようになる。

●終身保険=今年4月に1~2割値上げしたが、来年4月以降はさほど変わらない。
●定期保険=今年4月に保険料はさほど変わらなかったが、来年4月以降は値下げ。
●医療保険=今年4月に保険料はさほど変わらなかったが、来年4月以降は値上げ。

 そう考えていくと、もはや値上がりしてしまった終身保険はさておき、定期保険の契約は「来年まで待ったほうがお得」、医療保険は「値上げされる前に契約したほうが有利」に思えてくるが、前出・藤川氏は「冷静に考える必要がある」と説く。

「保険というのは万が一必要な時に最低限の備えをしておくものであり、来年安くなるのを待ったりすると、それまでに何かあった時に手遅れとなるかもしれません。特に定期保険なら、いったん契約しておいて、来年以降、大きく下がったのを見てから加入し直してもメリットはあります」

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