近年は、商品を購入すると貯まるポイントが多くのサービスで発行されている。財布がポイントカードでパンパンになっている人も少なくないだろう。こういったポイントシステムをいち早く導入したのが飛行機業界だが、公費で貯まる飛行機のマイルは個人のものとして良いのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
【相談】
公務員です。部署の都合で出張が多く、飛行機の利用もあります。そこで悩んでいるのはマイルの扱い方です。今のところ公費とはいえ、マイルは個人で貯めています。ただ、公費ですから、マイルを個人利用するのはどうかとも思っています。出張で貯まるマイルを個人のものにするのは間違っていますか。
【回答】
今はポイントシステムが、広範に利用されています。マイルもその一つですが、貯まると当該カードの発行会社以外の事業者の商品購入やサービス料金の支払いにも使えます。こうしたポイント制度の性質について、公正取引委員会は平成15年に「値引きである、景品ではない」との見解を示していますが、ポイントカードの機能は様々で、一概にはいえません。
しかし、ポイントは「電磁的に記録されたもので、契約の定めに従って、金銭債務の支払いに使える電子情報」であり、カード発行企業が通用を保証した一種の企業通貨といわれています。そして、デジタル情報に基づいて発行企業に金銭債務の履行を要求できる点から考えると、いわゆる電子マネーに類似しています。