Aさんは約4年ほど添乗員を経験した後、昨年ようやく希望していた企画職についた。しかし、「本当の地獄はここからだった」とため息混じりに話す。
「添乗員時代、休みが合わないことから友人や彼氏になかなか会えなかったので、ようやく落ち着いて会えると期待していましたが、企画のほかにも接客やパンフレットなど販促物の制作といった仕事があり、ほとんど毎日終電で帰宅。土日の出勤も少なくありません。結局、会う約束をしていてもドタキャンせざるを得ないことが増えて、友人も相手にしてくれなくなり、彼氏に浮気されてしまって振られてしまいました」
一方で、Aさんは「得られたものもある」と言葉をつなぐ。
「“売れる”企画と、自分がやりたい企画のちょうどいいバランスのものを作れて、それがお客さまに満足していただけたときの喜びは忘れられないんです。滅多にないですけどね。私、こんなにこの仕事が好きだったんだって、自分でも驚きました。会社には結婚して子どももいる女性上司も結構いて、私も将来的にああなりたいな、と思っています。だから、辞めていく同僚もいますが、もう少しがんばってみたいんです」
辛い経験も明るいトーンでサラリと話してくれたAさん。打ちひしがれてばかりでなく、やりがいとともに目指すべきキャリアを見出せば、前向きになれるということなのかもしれない。