まぁ、こうして「渋谷徒歩18分、家賃3万円」の物件での生活ぶりを紹介しましたが、ヒドい話ばかりだとは思わないでください。ここはあくまでも、夢と野心のある若者が「こんなところに一生いるわけにはいかない! オレは早くここから出るのだ!」と決意するための象徴的存在として気分を奮い立たせられる場所になっているのです。
私自身、このアパートでの1年半の雌伏の生活の間にそこそこ仕事ももらえるようになり、その次は家賃8万2000円のアパートに引っ越すことができました。今ではありがたいことに、複数のニュースサイトの編集をやらせてもらっているほか、モノカキとして新聞や雑誌に連載を持つ機会をいただけるようになりました。これも、当時の生活があってのことだと思います。
よって、「東京都心に住みたいけど家賃が高すぎる……」と夢を諦める方がいらっしゃいましたら、東京の住みたい街の地元の不動産屋へ行き、「予算3万円でなんとかなりませんかね……」と相談してみてはいかがでしょうか。2001年のこの時、私は他にも2万5000円と3万5000円の部屋を紹介してもらえました。今もそういった物件は存在しますから。