今後、世帯の手取りの変動は読めない上に、場合によっては大幅減少する可能性があるのだ。
だが、税金や社会保険料は、支払った分だけメリットもある。たとえば、従業員501人以上の企業で年収106万円(月収8万8000円)で働き、厚生年金に20年間加入した場合、厚生労働省の試算では月8000円の負担はあるものの、老後の年金が月9700円アップする。
健康保険からは、専業主婦にはない傷病手当金や出産手当金の給付もある。
「高齢化とともに、老後の期間も長くなっています。働くことを前向きに捉えて、目先の損得だけではなく、将来の家計なども考慮しながら、望む働き方を探したいものです」
今回の法改正を見てもわかる通り、税制はその時々の国の都合で変更される。少子高齢化で厳しい財政運営を強いられている日本は、負担増は免れないだろう。そのとき、制度に合わせた働き方を調整していると、変更のたびに翻弄されることになる。まずは自分がどのように働きたいかを考えることが先決。その上で、制度を上手に活用するようにしたいものだ。
※女性セブン2017年5月25日号