街を行く人に尋ねてみれば、きっと誰しも住んでみたい街があるはず。けれども理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は、果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、「住みたい街ランキング 2017」で3位にランクインした「横浜」(神奈川・横浜市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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「住みたい街ランキング」の上位には、「武蔵小杉」「二子玉川」など、首都圏在住者以外にはなじみのない街もありますが、横浜といえばもちろん全国区の街。海や港があり、おしゃれなイメージも強く、観光スポットも点在しています。駅を降りれば、そごう、高島屋、ジョイナス、モアーズ、ルミネ、地下街のポルタほか、買い物スポットはよりどりみどり。退屈することはありません。
鉄道に関しては、一見すると申し分のない充実度を誇るように見えます。通っている鉄道会社はJR、京急、東急、相鉄、横浜市営地下鉄、横浜高速鉄道の6社。東京方面に向かう際、ある線が止まっていたとしても、代替路線がいくつもあるのは心強いところです。ただし不満が2つあります。
1つは、新幹線が通っていないこと。新幹線の停まる新横浜駅は、横浜間からJR横浜線で10分ちょっとですが、新幹線と横浜線の乗り換え通路が非常に狭く、混雑ぶりにはイライラさせられます。そして2つめは、駅が大きすぎる上に構造が極めて複雑なこと。駅および駅付近は、ここ数十年ずっと何かの工事が続けられており、一部の横浜駅ユーザーからは「日本のサグラダファミリア」と呼ばれています。