何やかんやと綺麗事を言っても、今の日本はまだまだ学歴社会。いわゆる「Fランク」と呼ばれる大学を卒業しても、そこから経済的に大きな成功を収めるのはなかなか難しい。ところが、東京都に住む40代の男性・Kさんは、Fラン大学を卒業したにも関わらず、ここ数年、年収が2000万円を切ったことがないという。Kさんはどうやって“勝ち組”にのし上がったのか?
Kさんはもともと都立高校の出身。その高校は学区内でトップクラスの進学校だが、あまりマジメな生徒ではなかったKさんは、2浪の末、ようやく偏差値が40台半ばの大学に合格した。大学では、特に何も考えずに中国語を専攻。大学時代は映画サークルに入り、映画づくりに没頭した。
サークル活動にのめり込みすぎたKさんは1年留年し、社会に放り出されたのは25歳の時。「Fラン+2浪+1留」というKさんにまともな就職口などあるはずもなく、そのままフリーター生活に突入したが、半年後に一念発起する。Kさんが振り返る。
「卒業後にバイト先として選んだのは、サークルの先輩がやっている映像制作会社でした。仕事自体は楽しいんですが、とにかく給料が安くて……。昼夜逆転のうえ、ひと月働いて10万ちょっとの給料ではとてもやっていられないと思い、半年で辞めました。そして、『語学ができればなんとかなるだろう』と思い、中国に1年間、語学留学しました」(Kさん。以下「」内同)
中国では1年間マジメに勉強し、帰国後は就職活動をしたものの、「1年程度の留学経験では評価してもらえなかった」という。仕方なく、もともと働いていた先輩の映像制作会社に舞い戻ったが、2007年に見事に“ワンチャンス”をものにする。
「ある時、大手TV局から『中国の面白映像を編集する』という仕事のオーダーがありました。最近よくある、海外の面白動画を紹介するような番組です。動画を編集して納品すると、映像を確認したTV局のスタッフたちが、『これ、字幕がいるだろ?』『もう間に合わないですよ!』といった会話を始めたんです。そこで、『ボク、中国に留学してたんで、(字幕を)やりましょうか?』と言うと、『ホント!? じゃあやってよ!』ということになり、大いに感謝されたんです」