もちろん、低金利状態が続けば続くほどローンを組む人が増えて、住宅などの販売が促進されることが想定され、それが消費を喚起し、経済を上向きにする効果があります。しかし一方で、その傾向が過熱し過ぎて、あまりに多くの人がローンを組んで住宅などを購入することになれば、家も土地もどんどん値上がりし、バブル状態になる可能性があります。
だからこそ、そういったことが起こらないように、少しずつ金利が引き上げられているわけです。風船が膨らみすぎて破裂しないよう、適度に空気を抜いているようなイメージですね。
思い返せば日本でも、1989年のバブル絶頂期に家や土地の価格が凄まじく高騰していました。私自身もちょうどその頃、家を買おうかと考え、3か所くらい家を見に行ったのですが、1週間かけて家族と相談しもう一度不動産屋さんに行くと、土地の価格が何十万、何百万円と価格が釣りあがっていた、といったことがありました。
結局また新たに家を探し始めたのですが、その間さらに値上がりするという、本当に異常な状況にありました。しかし結局その後、バブルがはじけて今度は逆にあっという間に値下がりして……という結末を迎えたわけですけどね。
そして今アメリカが必死にタイミングを見計らって利上げしようとしているのは、かつて日本が経験した、そのようなバブルを抑制するため、というわけです。
6月に利上げされるのか?
さて、利上げの話をもう少しさせてもらいますが、トレーダーであれば誰もが「次に利上げされるのはいつになるのか?」ということが気になるはずです。一部では、「6月に利上げされる可能性が高い」という声も聞かれますが、実際のところどうなのでしょうか?