2.株価チャートが持続的な上昇トレンドである
成長株の株価チャートには、特徴的なパターンがあります。具体的には3つのステージに分かれ、第1ステージは「黎明期」、第2ステージは「急成長期」、第3ステージは「成熟期」です。
成長株を見分けるには、第2ステージが重要です。成長株の株価は、新高値(その時点での過去最高値)を更新した後、急速な伸びを見せます。この伸びの勢いが持続的な上昇トレンドであるかどうかが、その銘柄が成長株かどうかの判断材料となります。
エムスリー<2413>の株価チャートを見てみましょう。まず第1ステージは、企業にとっても黎明期です。売上や利益などの業績や会社見通しが不安定で、株価も同様に上下を繰り返します。エムスリーも、投資家の高い期待に業績の成長スピードが追いつかず、株価は低迷していました。
第2ステージは急成長期です。利益が急拡大し、株価も新高値を超えて大きく上昇します。エムスリーも2013年あたりで第2ステージに移行しています。その時期の同社の業績を確認してみましょう。
これは、エムスリーの2012年から2013年にかけての四半期決算ごとの対前期増減率です。ご覧のとおり、2013年から売上高が大幅に増加していることが見て取れます。売上高が大幅に伸びたためにEPS(1株あたり純利益=当期純利益÷発行済株式数)も急増し、株価が大きく上昇します。
ここでチェックしたいのが、外国人持株比率です。外国人投資家(機関投資家)は四半期ごとのEPSの成長を重要視します。エムスリーの外国人持株比率は、2012年には21.1%に過ぎなかったのが、2013年に入ると30.4%、さらに36.4%にまで上昇します。EPSの大幅な伸びに伴い、機関投資家が同銘柄を買い集めるようになり、出来高が増加、さらにマーケット参加者が買い進めた結果、株価上昇が加速する——という構図が読み取れます。
そして、企業の成長に陰りが見え始めると、第3ステージの成熟期へと移行します。成長率が鈍化して株価も下落、低成長株へと変わっていきます。そのため、現在どのステージにいるのかを見分けることが大切です。第2ステージでうまく投資することができれば、大きな儲けに繋がります。