3.PERが高い
PER(株価収益率)は、現在の株価が割安か割高か、それとも妥当なのかを判断する際によく使われる指標で、株価が利益に対して何倍かを表しています。PERが高いということは、業績以上の評価をされている=割高ということになります。
しかし、成長株投資においては、高PERであることはさほど問題になりません。PERが高い企業は、それだけ投資家が将来の成長性を期待している、ということでもあります。したがって、成長株は当然PERが高くなるのです。エムスリー<2431>も高PER銘柄として有名で、2016年11月末時点でも60倍以上で推移しています。
なお、業種によって差はありますが、東証1部上場銘柄の平均PERは17倍前後。そして、高PERであることがポイントとなる成長株投資に対して、低PER(=業績に株価が追いついていない)に注目して投資する方法が「割安株(バリュー株)投資」です。
4.時価総額が比較的小さい
成長株にとって、会社の価値を表す時価総額は重要です。
たとえば、時価総額が4兆円を超えているファーストリテイリング<9983>のような大型株が、短期間のうちに株価が5倍や10倍にもなるのは簡単ではありません。なぜなら、企業価値の源泉である「売上(利益)」が、短期間で5倍や10倍になるビジネスモデルを新たに作り上げる、ということを意味するからです。
2016年11月末現在、日本の時価総額1位はトヨタ自動車<7203>の約22兆円ですが、ここから自動車以外のビジネスやまったく異なる業種業態で好業績を収めたとしても、現業の数倍以上のインパクト(企業価値)を短期間で出せるでしょうか?
(なお、2013年には円安のおかげで同社の純利益は約2800億円から2.3兆円へと約8.2倍なりましたが、そのときでも株価は約1.6倍の伸びでした)
それに比べて時価総額が200億円以下の中・小型株は、新たなマーケットの創出や需要の開拓、企業買収による業績効果などによって、短期間で期待とともに業績を伴なった株価の大幅上昇が起こり得ます。文字どおり5倍にも10倍にもなるケースがあるのです。