5.将来の「成長ストーリー」に陰りがない
成長株は、その成長性が期待されて買われているので、決算発表時の来期業績予想で増収増益がストップしたり、増益率が下がってしまったり、ネガティブ・サプライズ(予想外の悪材料の発表など)があったりすると、一転して大きく売り込まれます。成長が鈍化したと投資家たちが判断し、株価に乗っていた「高成長ストーリー」が剥がれ落ち、株価は大きく下落します。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、ゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」の大ヒットによって、2013年5月に株価が急騰しました。しかし、翌2014年には増益率が鈍化し、また次のヒット作も見当たらず、株価は急落したまま現在まで調整が続いています。
このように、成長株でも、特に業績の変化が早い小型成長株は、値動きが荒いため、業績動向を常に注視し、機敏な投資を心がけることが求められます。
あなたもフォレスト・ガンプになれる?
成長株には、エムスリーのように長期間かけて業績が拡大してきた企業もあれば、ガンホーのように短期間で業績の変化が早い企業もあります。フォレスト・ガンプなら、「株式投資はチョコレートの箱のようなものだ、投資してみるまで中身はわからない」と言うかもしれません。いずれにせよ、銘柄選択をしっかりと行えば、大きな利益を手にする可能性があります。
ただし、ここで勘違いしてはならない重要なポイントがあります。それは、このような成長株投資は数か月といった期間ではなく、数年から10年以上をかける長期投資を前提していることです。もっと短期間で利益を出したい場合は、業績よりも株価の動向に注目したトレードを行うべきでしょう。
その特性をしっかりと理解し、じっくりと時間をかけて株式投資に取り組みたいという場合には、ぜひ「未来のアップル株」探しに乗り出してみてください。
岡田禎子:おかださちこ
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)ファイナンシャル・プランナー(CFP®)。証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。個人投資家として20年以上の経験がある。「投資は面白い」をモットーに、執筆、セミナーなどで活動中。