キャリア

子供の教育費 大学までに300万円貯めるか、授業料免除活用か

 300万円も貯められないと思うかもしれないが、国と自治体などから給付される児童手当を積み立てれば、それほど難しくはない。2017年度の児童手当は、0才から中学校卒業までの間、原則的に子供1人につき月1万~1万5000円給付される(子供の人数で給付額は異なる。所得制限あり)。

「児童手当を全額、定期預金などに積み立てていけば、元金だけでも200万円程度になります。この他に子供がもらったお祝い金なども貯めておけば、300万円の貯蓄も可能です。教育資金作りは、子供が生まれたらすぐに始めるのが理想です」

 とはいえ、さまざまな事情から貯蓄ができないまま、もうすぐ子供の大学進学が迫っている家庭もあるだろう。

 その場合、貸与型奨学金や銀行の教育ローンに頼りがちだが、家計の負担を抑えるために借金はできるだけ避けたい。探せば教育資金で使えるアイディアや制度はある。

祖父母からの教育資金の一括贈与を利用

 子供の教育資金が不足したときに、まず検討したいのが祖父母からの「教育資金の一括贈与」だ。通常、祖父母がまとまったお金を一度に孫にあげると贈与税が発生する。贈与税は最低でも10%の税率になる。

 だが2013年4月~2019年3月までは、30才未満の子供や孫が、父母や祖父母などの直系尊属から教育資金として一括贈与を受けても、1500万円(学校教育費以外は500万円)までは贈与税がかからない。

「信託銀行などに孫名義の口座を作って支出を管理すれば、祖父母からまとまった教育資金をもらえます」

 この特例を利用しなくても、祖父母が孫の学校の授業料などをその都度支払う分には通常必要なものとして認められており、贈与税はかからない。

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