自助努力で「脱下流」は実現可能となる
将来を考えると悲観的な話ばかりですが、ではどうすればいいのでしょうか。
ここまで「貧困化」に目を向けてきましたが、だからといってこれは日本人全員に当てはまる話ではありません。貧困化が進む一方で、富める者がますます富む「二極化」が進んでいます。
グラフ2は、前述の金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」の結果をグラフ化したもので、「貯蓄なし世帯」が急激に増えている反面、貯蓄のある世帯の「平均貯蓄額」も増加傾向にあることが見て取れます。
大した贅沢もしていないのに普通に生活するだけでは下流に転落してしまう世帯が増える一方で、比較的裕福な世帯が資産を殖やしているわけです。
そして、ここに「脱下流」のヒントが隠されているともいえます。
普通の暮らしぶりではやがて破産も免れない時代に生き残るためには、家計をしっかり管理して貯蓄に回せるような「自助努力」を怠らないこと。それに尽きます。
そのためには、大きく分けて3つの方法があります。
(1)収入を増やす(稼ぐ)
(2)支出を減らす(節約)
(3)余った資金を運用する
具体的に見ていきましょう。
まず、将来的な不安から逃れる最もよい方法は(1)収入増です。サラリーマンで本業の収入アップがなかなか見込めないのなら、副業に手を出したり、資格を取ったりする。思い切って新たなビジネスを立ち上げる手立てもあります。