時間とお金を投入して稼ぐスキルを身に付けるのです。あるいは妻が専業主婦なら共働きして収入源を増やすというやり方もあるでしょう。
次に、最も確実な方法が(2)支出を減らすことです。(1)収入増や(3)運用はどうしても不確実性が伴いますが、これだけは家計をしっかり管理すれば実現できます。
節約と聞くと、お小遣いを減らしたり、食費や洋服代などを抑えたり、とにかく我慢を強いられるイメージを持たれるかもしれませんが、そのような日々の「やりくり費(変動費)」を削ろうとしてもなかなか続きません。
それよりも月々決まって支払う住宅費や保険料といった「固定費」を削減することが何よりも求められます。
そこで、まず生涯で最も高い買い物とされる「住宅ローン」を見直す。日銀のマイナス金利導入を活かして低い金利のものに借り換えるなどコストを抑える余地は十分あります。
「保険」は結婚、出産、マイホーム購入といったライフステージの変化に伴って必要最低限な保障額に見直す。子どもの成長に伴って将来の養育費は減りますし、住宅ローンには団体信用生命保険といって万が一の時の保障がついてくるケースがほとんどなので、その分、保障額を減らすことができます。必要保障額を生涯一定にする必要はないのです。
また「自動車」は燃料代や維持費などがかかりますから、使用頻度によっては思い切って手放す選択肢もあると思います。
そして、意外に家計を圧迫しているのが「通信費」です。
前述の家計調査でも「交通・通信費」は携帯電話の普及が進み、手取りに対する負担率は20年前の約8%から11%台まで増えています。無駄なオプション契約を外したり、格安スマホ(MVNOと呼ばれる事業者が格安料金で提供する通信サービス)に乗り換えたり、あらゆる手段を検討してみてください。
子どもの教育費も、もはや“聖域”ではありません。子どもの将来を真剣に考え、本当に塾は必要なのか、中学から大学まですべて私立に行かせる必要はあるのか、などと考え直してみるのも手です。
運用上手な人はリスクを数字で把握する
そこまでしっかり家計を管理できるようになると資金を貯蓄に回す余裕も生まれ、いよいよ(3)運用の出番です。