中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

私が本当に経験した風呂なし貧乏生活のリアル 「ゲリラ豪雨の時は海パン履いて外へ」

 さて、とんでもなく忙しい時は、体を洗うことさえままなりませんでしたが、時間があればそれなりに体を洗うことは可能になります。まずは銭湯ですが、当時は410円でした。これも、1回の食事以上の料金なだけに正直キツい。だから、行けるのは週1~2回です。大事な打ち合わせの前日などには万難を排して銭湯に行き、次はいつ銭湯に行けるか分からないのでとにかくナイロンタオルでゴシゴシと全身を洗い、何度も垢を落としたものです。ヒゲも3枚刃のカミソリで極力深く剃り、表面にヒゲが出てくるまでの時間を長くするように心がける。

 問題は他の日です。そうした状況でいかにして体を洗う機会を増やすか、ということがカギとなります。貧乏だと「体を洗うためだけに410円を使うのは悔しい」というメンタリティになります。「だったら別の楽しいことをやる中で、ついでに体を洗う」という方向と、「とにかく人の善意に感謝して無料で体を洗う」の2つが選択肢となります。

ゲリラ豪雨のとき海パンを履いて外に出る

 まず、私が利用したのが、区民・市民体育館です。友人とバスケやバドミントンをこうした公立の体育館でプレイし、その後、その施設でシャワーを浴びるのです。かくして「娯楽+体を洗う」を200~300円でまかなうことができたのでした。

 あとは、大学の体育会が使えるシャワールームというものがあります。そうしたところに知り合いがいたら、彼がシャワーに入る時間に合わせて一緒に入るという手もあります。彼は部員に対しては「オレのダチが社会人なんだけど、こいつ、いい年して貧乏でどうしようもないんで、わりぃ、一緒にシャワー使わせてやってくれないか」と言ってくれ、入らせてもらうのです。

 さらには、近所に住む高齢者の知り合いがいた場合、ちょっとした買い物をしてきたり、電球を変えるといったお手伝いをすることにより帰り際に「すいません、風呂入ってもよろしいでしょうか……」とお願いをする。そう頻繁にはこれはできませんが、半年に1回ぐらいだったらこの技は使用可能です。

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