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「戦略なき事業拡大」「監査法人がザル」は倒産企業の共通点

倒産しそうな会社の共通点とは?

倒産しそうな会社の共通点とは?

 倒産には必ず理由がある。民間信用調査会社・帝国データバンク(TDB)情報部では、実際に倒産した企業、経営再建に追い込まれた企業を分析し、今後倒産しそうな企業を見分けるために“活用”している。倒産しそうな会社には、具体的に、どんな事例と共通点があるのか。

戦略なき拡大路線

 TDBで倒産の兆候の典型例としてとらえられているのが、戦略なき事業拡大だという。一見、景気よく見える拡大路線が、時代や業界の趨勢に合致していないと、経営は一気に傾く。TDB東京支社情報部情報取材編集課副課長の内藤修氏はこう語る。

「全国に大型ゲームセンターを展開するザ・サードプラネットは2015年6月に民事再生法を申請しました。一時は株式上場も目指す勢いで、2007年3月期に業績はピークに達した。ただ、そうした時期に詳細な市場調査を伴わない店舗拡大があった。店舗をたたむ際には固定資産の除却損がかさむ。折しもオンラインソーシャルゲームの普及で、ゲームセンターの市場規模は2007年からの8年で4割減少するという逆風が吹き始めた時期でもありました」

 国内海運5位の第一中央汽船も時代の変化を読めなかった。2003年ごろから新興国の経済成長や中国の貿易自由化で船賃が高騰したことを受け、スポット契約船や新造船を増やす拡大路線をとった。当初は好調だったが、2008年のリーマンショックで海運需要が急激に落ち込み、2014年以降は中国経済の停滞が追い打ちをかけた。第一中央汽船は1074億円の借入金の返済ができなくなり、2015年9月に民事再生法の適用を申請した。

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