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「戦略なき事業拡大」「監査法人がザル」は倒産企業の共通点

監査法人に仕事をさせない

 精密測定機器の製造販売を手がける石山ゲートウェイホールディングス(GH)は2016年7月に自己破産に追い込まれた。同社は、もともとジャスダック上場企業だったが、2015年5月に当時の社長が金融商品取引法違反で逮捕され、同年8月に上場廃止となった。内藤氏がいう。

「逮捕につながったのは2014年6月期の連結売上予想での不正です。新規事業で大きな売り上げが立つことになったと大幅上方修正が行なわれたのですが、この新事業の売り上げというのが架空取引によるものだった」

 上場企業の決算発表には監査法人のチェックが入るはずだが、全く見抜けなかったのだ。

「同社の会計監査を担当していた監査法人は、金融庁から『運営が著しく不当である』として20145月に業務改善命令及び1年間の業務の一部停止という厳しい処分を受けました(2015年12月に解散)。不正をはたらく企業は正常に機能しない監査法人を選ぼうとするのです」(同前)

※週刊ポスト2017年6月9日号

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