そうした事態に備えて、飼い主の間で「ペット保険」への関心が高まっている。調査会社の富士経済によれば、ペット保険の契約件数(2015年末時点)は約106.5万件で、2011年末の約1.75倍に増加。2017年末には135万件に伸びると見られている。
加入件数は増加傾向にあるとはいえ、約2000万頭におよぶ犬・猫の飼育数(ペットフード協会)と比べると6~7%程度に過ぎない。万が一の時に“ペット破産”しないためにも、ペット保険について正しい知識を持っておくべきだろう。ペット保険を選ぶ際の具体的な基準や注意点を専門家に聞いた。
補償費・補償割合の「例外・制限」を読む
ペット保険は、主に定率補償型と定額補償型に分かれる。一般的なのは「定率補償型」だ。ペット保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之氏が解説する。
「動物病院でかかった治療費の50%、あるいは70%を補償する5割型や7割型が多く、なかには全額補償する10割補償型もあります。
それらを選ぶ時には、入院・通院の日数や手術の回数に制限がついているか、年間の補償費用に上限が定められていないかなどの“制限”を、加入前に確認することが大切です」
実際に、国民生活センターには「思っていた補償金額が得られなかった」という相談が寄せられている。毎月払う保険料の額と「○割補償」という文言だけに注目していると、そうしたトラブルが生まれると考えられる。