貯蓄性の高い商品ほど値上げ率が高くなる
代表的な商品は学資保険だ。学資保険はかつて教育資金づくりの定番商品だった。「子どもが生まれたら、まずは学資保険」と言われたほどだ。
それがいまや支払った保険料よりも少ない学資金しか、受け取れない商品がほとんどだ。契約者(親など)に万が一のことがあった場合には、その後の保険料が免除され、学資金は予定通り受け取れる商品が多いので、一定の保険機能はある。
それでも教育資金作りが加入の目的である以上、元本割れの商品に加入する意味はないだろう。
終身保険も同様。本来、死亡保障のために加入する商品だが、中途解約をすると解約返戻金が受け取れるので、一定の貯蓄効果がある。保障と貯蓄を両立できる商品として利用されてきたわけだ。
しかし、保険料の値上げによって、トータルで支払う保険料よりも将来受け取る死亡保険金のほうが少ないケースもでている。
もちろん、加入からまだ年数の浅い時期に亡くなれば、支払った保険料以上の死亡保険金を受け取れるが、実際に死亡リスクが高まるのは、高齢になってからだ。終身保険は相続対策など一部の場合を除いて、加入する意味は薄れている。
定期保険は、本来、掛け捨て型の商品で貯蓄効果はない。よって、予定利率引き下げの影響を受けにくい。実際に今回の保険料値上げにおいても、加入年齢や保険期間によって、保険料が安くなるケースもある。
しかし、長期定期保険の場合には事情が違う。長期定期保険とは、満期が100歳や95歳などに設定された定期保険だ。満期があるという意味では定期保険だが、平均寿命を超えているため、実質は終身保険と同じ。
よって、予定利率の引き下げの影響をうけている。