加えて、北朝鮮を巡る情勢も、金正恩政権が軍の創建記念日に核実験を見送ったことで緊迫の度合いが低下。為替市場はリスクオンの状態に転じ、一気に円安が進んだ格好となった。
そこで、6月以降の展開であるが、基本的にはリスクオンの状態が続くのではないかと思っている。その理由は、当面、政治リスクと地政学リスクのピークを通過したと考えられることだ。
2017年最大の政治リスク受け止められていた仏大統領選挙では、EU離脱反対派のマクロン氏が次期大統領と決まった。また、最大の地政学リスクである北朝鮮情勢も米朝の軍事衝突の可能性は徐々に後退しつつある。他にも政治および地政学リスクはあり、北朝鮮情勢も予断を許さないが、為替市場への影響力は弱まるだろう。
※マネーポスト2017年夏号