自分が死んだ後、遺された家族が生活に困らないように支給される遺族年金。入籍後、すぐに配偶者が亡くなった場合は? 事実婚の場合は? さまざまなケース別に生じる遺族年金の疑問について、東京国際司法書士事務所・代表の鈴木敏弘さんが解説する。
Q:入籍後、すぐに亡くなっても遺族年金はもらえる?
A:婚姻期間に規定はないので、受け取れる
遺族年金を受給する場合、故人の保険料納付期間などに規定はあるが、婚姻してから何日以上といった規定はない。極端にいえば、入籍翌日であっても、それまでに故人によって生計が維持されており、年収が850万円以下であれば、受給資格は充分だ。長年夫婦なのに、別居していて財布は完全に別の場合、生計維持要件に該当しないため、遺族年金の対象外となる。
Q:事実婚の場合も受給できる?
A:事実婚が認められ、重婚にあたらなければ受給できる
婚姻届は出していなくても、住民票が同じで、生活費は一緒。社会通念上、夫婦としての共同生活をしていると認められる事実関係があれば、遺族年金の受給資格が得られる。ただ、夫婦同然の生活をしていても、戸籍上の夫が別にいる場合、重婚的内縁関係となり、生活費の援助などの交流が続いていれば、届け出などの婚姻関係が優先されることもある。