奨学金問題対策全国会議の事務局長で、弁護士の岩重佳治さんは次のように話す。
「高校生や大学生に、奨学金を申し込む段階でいくら借りるべきかを判断させるには限界があります。貸与型奨学金は、将来の仕事や収入がわからないで借りるものなので、返せなくなる可能性が常にあることを考え、救済制度などを調べておきましょう」
日本学生支援機構では、こういった、奨学金返済に苦しむ若者の増加などを踏まえ、2018年度から給付型の奨学金制度を始める。給付月額は自宅通学の国公立大学で2万円、自宅外通学の私立大学で4万円。対象者は住民税非課税世帯の成績優秀者で、1学年2万人程度だ。
しかし、このような給付型奨学金はまだまだ少ないのが現状。奨学金アドバイザーの久米忠史さんは、「奨学金といえば聞こえはいいですが、実質は学生ローン。リスクを理解したうえで、活用しましょう」と忠告する。
※女性セブン2017年6月15日号