家計の大きな負担となる教育費。特に大学にかかる費用は桁違いだ。資金の少ない家庭にとっては、奨学金が頼みの綱となることも。日本でもっとも利用されているのが、文部科学省の独立行政法人「日本学生支援機構」の奨学金で、2.6人に1人が活用している(2015年調べ)。
では、奨学金を活用するために、どんなふうにステップを踏んでいったらいいのだろうか。入学前にやっておきたい奨学金の選び方をシミュレーションしてみよう。
高1から本格勉強 目指せ「3.5」以上
日本学生支援機構で無利子の「第一種奨学金」を取るための学力基準は高1から申し込み時までの平均成績が3.5。進学を決める以前に成績だけは取っておこう。
大学受験を決めたらすぐ奨学金の下調べを
日本学生支援機構の募集開始は高3の5~6月と意外に早い。受験を決めたらすぐ、奨学金の種類など下調べをしておこう。
【STEP1】まずは給付型&無利子の奨学金を調べる。地方自治体が狙い目。居住地の役所へ連絡を
全国の都道府県、市区町村では独自に奨学金制度を設けていることがある。給付型奨学金は一部に限られ、ほとんどは返済が必要な貸与型だが、自治体の奨学金は、貸与型であっても無利子が基本、と奨学金アドバイザーの久米忠史さんは言う。「奨学金事業の多くは役所の教育委員会などが窓口となっているので、居住地の役所に問い合わせ、制度の有無や内容について確認を」(久米さん)。ただし、他の奨学金との併用受給を認めていないケースが多い。可能なら併用受給できる奨学金を選ぼう。
【STEP2】日本学生支援機構の奨学金を調べる。目指せ!「給付型」→「第一種」採用
日本学生支援機構の奨学金の申し込みは、高校時代に予約する「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」がある。また、高校卒業後2年目までは、卒業した高校を通して予約採用で申し込める。つまり、浪人生でも奨学金は借りられるのだ。予約採用をしても、あとで辞退できるため、進路が決まっていなくても、借りる可能性があるのなら申し込んだ方がいい。まずは給付型、さらに貸与型でも金利のかからない第一種を目指そう。予約採用は、多くの高校で5~6月、10~11月の2回に分けて募集を行う。気づいた時には終わっていたなんてことにならないよう、高校に確認を。