日本株は先進国で最も投資妙味が高い
株価を見ているだけでは実感は乏しいかもしれないが、実は日本経済も好調さを示すデータがいくつもある。
街角の景況感を示す景気ウォッチャー調査の現状判断DI(景気指数)は昨年7月に底を打って上昇に転換。企業と個人などが保有する通貨総量のM2(マネーサプライ)も強い伸びを見せ、景気の先行指標となる工作機械受注をはじめ鉱工業生産、国内企業物価指数などもここにきて大きく伸びている。
焦点となっているインフレ率は、コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)が0%前後に張り付いているが、むしろ日銀は安定的に2%を超えるまでは金融緩和を継続するとしているので、当面は資金が溢れる状況に変わりはなく、株価的にはプラス材料といえる。
それでも日本株がなかなか上値を追えていない理由は、ひとえに為替相場にある。トランプラリーが一服したことで米国の長期金利が日柄調整中となっており、それに伴って円高が進んだため、「円高→株安」基調になっているのだ。
ただし、米国経済は依然として強く、利上げに加え、トランプ政権が掲げる政策の後押しもある。米長期金利がいずれ上昇するのは必至の情勢といえ、日米金利差の拡大に伴う「円安→日本株高」となるのは時間の問題と見ている。
そう考えていくと、年内に1ドル=120円、日経平均も2万5000円になっても不思議ではないし、さらに上値を追う展開となってもおかしくない。世界的な株高基調にあっても出遅れている日本株は、今後の反発を見越すと、先進国で最も投資妙味が高いといえるだろう。
振り返ると、2000年前後のITバブルや2005年の新興株バブルは、いずれも金融緩和によって溢れたマネーが株式市場に流れ込んだことで発生した。なかでも時価総額の小さい小型株は大爆騰を演じた。