カブ知恵代表・藤井英敏氏によると、北朝鮮問題やフランス大統領選挙など、今年の主要なイベントリスクを通過したことで、日経平均株価も年内2万2000円に向けた値動きが予想されるという。そうした中で投資家はどのような行動をとればよいのか。藤井氏が解説する。
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日本株に上昇基調が見込めるといっても、日経平均のなかで上がるのは外需系が中心となるだろう。なにしろアベノミクスは事実上、“死語”となっており、内需に上昇要因はほとんど見られないのが実状だ。
ましてや日経平均はその構成上、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ、ファナックといったごく一部の銘柄の指数寄与度が高く、それら値がさハイテク株だけで約2割のウェートを占めている。そうしたなかで日経平均が上がったといっても、実はごく一部の寄与度の高い銘柄だけが上がっているにすぎないのだ。
今後、日経平均の上昇が見込めるなら、それら「王道」銘柄に投資する手もあるが、たとえばファーストリテイリングの最低購入単位は優に300万円を超える。仮に200株買って2割上昇すれば150万円超の儲けになるが、元手は700万円以上かかる。それはどう考えても潤沢な資金を持つ資産家や退職後に大きなリスクが取れない人といったお金持ちに限定されてしまうだろう。
たとえば手元に1000万円ほどの預貯金があって、そのうち200万~300万円をリスク資産である株に投資して「10年で10倍にしたい」と考えるような個人投資家なら、「王道」への投資ではとても叶わない。