しかし、100円を超える分配金を出しているファンドも、早晩、引き下げざるを得ないだろう。そうしたファンドは、運用して得られた収益だけでなく、投資家が投じた資金を分配金として出しているファンドがほとんどだからだ(投資家の資金が原資となっているものを「特別分配金」という)。
特別分配金を出し続けた結果、投資信託の価格である基準価額が3000円台、2000円台となっている毎月分配型もある。これは正常な運用とは言い難い。
分配金が欲しいという投資家は一定数存在する。だが、現在の世界的な低金利下では、持続可能な分配金はおおよそ30円、40円といった水準と思われる。
30円だったとしても、基準価額1万円のファンドであれば年間3.6%の利回りに相当する。分配金の高さのみに着目して投資するようなことは避けるべきだろう。
※マネーポスト2017年夏号