「グッズは限定品が多く、誰でもが簡単に買えるというものではありません。イベント会場の限定品などは、転売用に大量に購入され、ネットオークションで転売されるというケースも多い。この場合、できるだけ早く確実に手に入れておきたいというオタクに向けての転売であって、いわばスピード勝負です。ちょっと時間が立つとすぐに値が下がることが多いですね」
マニアックすぎるグッズは値段が上がらない
コミックマーケットで頒布される同人誌や限定グッズなども、転売のターゲットになりやすい。
「同人誌などはまさにコミケに行かなければ入手できないグッズで、コミケに行ったとしてもすぐに売り切れてしまうことも多い。しかし、日本全国にはそういった同人誌がほしいというオタクは多く、だからこそ転売されやすいわけです。数人で組織的にコミケで同人誌を大量に購入し、ネットオークションで転売ビジネスをしているグループも存在します。同人誌の転売だけで生計を立てている人も少なくないですよ」
人気アニメのグッズがすぐに値下がりするのは、人気が高いがゆえに出回っている数が多いからという理由もあるだろう。裏を返せば、出回っている数が少ないグッズであれば値が下がりにくいのではないだろうか?
「そんなことはないと思います。マニアックな作品ほど濃いファンが多いので、グッズを確実に入手している人がほとんどなんですよ。つまり、需要が完全に満たされている状態に近いので、それほど市場価値は上がりません。何かのきっかけでイレギュラーに話題になれば、また別ですがね」
本来、コレクターグッズは自身で楽しむためのものであるはずだが、そこに商機を見つけた転売ビジネスは確実に存在しており、そこで利益を出すためのノウハウも蓄積されつつあるようだ。