前出のMMD研究所の調査では、格安SIMを使っている人の平均スマホ代は月額2957円。大手キャリアとの差は4919円に達している。年間だと6万円近い差となり、4人家族が全員格安SIMに乗り換えれば、年間で24万円近い金額が浮くことになる。
格安SIMの「SIM」はスマホに差し込むSIMカードというICチップのことで、契約者の情報などが記録されている。大手キャリアで使っていた端末のカードをMVNOのSIMカードに差し替えれば、iPhoneなどの人気端末を格安で使うことも可能だ。
ただ、手持ちのスマホのSIMカードを入れ替えるより、スマホごと買い替えたいというニーズもある。こうしたニーズに対応するため、MVNOでは「SIMフリースマホ」を組み合わせて販売することもある。これがいわゆる「格安スマホ」で、1万円前後の格安の端末も用意されている。一方で、大手キャリアの端末と遜色ない機能を持つ製品も増えており、端末の選択肢も広がってきている。
これまでは、音声通話の料金が高いことや大容量のデータ通信がないところが格安SIMの弱点とされてきたが、最近は5分以内の通話がかけ放題となるプランや、20GBや30GBといった大容量プランを出す業者も増えており、大手に遜色ないプランを選べるようになった。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー、ライター)
※マネーポスト2017年夏号